土俵一路

花形力士の取り口分析、上位陣の取組別展望、幕下以下有望力士の特集などを更新中。旬の話題にフォーカスしたコラム調の記事も気の向くままに… 「本場所中も本場所後も楽しめる」をコンセプトとして、マイペースかつストイックに我が道を往き続けます。                他サイト等への転載はご遠慮下さい。

当ブログはこれより「知ってる人は知っている」理由による長期休暇期間に入ります。
時間を見つけ、照ノ富士×霧馬山だけは書ききりたいと思っていますが、今年は本当に時間がないので、それすら7月以降になるかも・・・

12-1照ノ富士(小手投げ)朝乃山10-3
朝乃山の立合いは非常に良かった。押し相撲の力士のような角度と左の外ハズでした。右も差すのではなく、下から押し上げるような構えで行ってるのが新しいところ。ただ、この当たりと左の使い方ができるなら、肩口を押さえるとか喉に当てるなりして、もっとシンプルに起こそうとしても良かったのかもしれません。今日は最速で中に入っていくような方向を目指して横綱に吸い込まれてしまったけども、もうひと手間かけてから組みにかかるようにすれば、横綱の抱えんとする動きに先んじて、肩まで差し手を入れるなり横に食いつくなりできるはず。
通常の立合いや今日の出方に加えて、上述したような形を身につければ、照ノ富士戦に限らず、他の三役陣にとっても脅威になりうるでしょう。

気持ちの面でも技術の面でも、今日の敗戦を一つのキッカケにして、また新たな相撲が作り上げられていくのでは・・・という希望を感じる一番であり、少なくとも悲観する必要は全然ないように感じました。
次の場所はすぐにやって来ますし、名古屋の早いうちにまた対戦することができるよう、残り2番勝ってできるだけ番付を上げてほしいものです。


横綱としては、場所前に朝乃山と稽古する機会があり、その際にも「胸から行く相撲になっている」とアドバイスを送ったそうですが(※)、まさに今日の朝乃山も抱え込まれた後にそういう姿勢(腰をぶつけるのではなく胸で当たって上体が伸びている)で煽ろうとしてきたので、逃さず咎めることができました。
2日連続で下がりながらの投げですから、必ずしも良い気持ちはしていないと思いますが、勝つという結果がその何倍も気力を奮い立たせていることでしょう。
明日はいよいよ霧馬山戦。1年ぶりで天皇賜杯をその胸に掻き抱けるか、その先を見据えるにおいても負けられない相手との大一番が待っています。
















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5照ノ富士(過去1年対戦なし)朝乃山0
もう2年以上前になりましたが、前回の対戦にあたる3年春は朝乃山が立合いもろ手突きで意表を突くも、照ノ富士を動じさせるには至らなかった。
それ以前の対戦では立合い頭でかましながら右差しを狙っていますが、当たり勝って前へ出ながら右を深くしていくような形になったのは2度目の対戦時(2年秋)くらい。それ以外は照ノ富士にドシッと受け止められ、陣地に踏み込むこともできず、結局右差し左上手の体勢を許してしまっている。
ただ、朝乃山にとって、立合いの瞬発力や威力はこの2年間で強化してきた部分。あまり選択の余地なく同じ立合いで行かざるを得ないのだろうから、あとは胸を借りるつもりで・・・という常套句のもと見届けるしかないという心境です。

立合い、右差し左おっつけで出足がつけば、そこから大事なのはとにかく攻め急がないことでしょう(先場所の逸ノ城戦を考えれば分かりやすい)。先に築いた好型をしっかりと固めつつ(廻しを引く、相手に廻しを与えないなど)、組み立てながら、崩しながら攻めれば横綱といえどそうそう残す腰は作れません。前述の2年秋も、土俵際で廻しをしっかり引き、下手から振り回す動きを我慢できていれば、勝てる確率はかなり高かった一番。今日も勝つとすれば、ああいう展開だと思うので、チャンスが来ればミスなく攻めきってほしいものです。


迎え撃つ横綱としては、やはり膝が心配ですが、やるべきこと・考えるべきことは決して多くない相手。立合いに集中して早く形を作ることを目指したい。
恒例の「飛び道具」予報に関しては、出足があるので呼び込んでしまうリスクを考えれば、まあないのかなと(よほど体調が悪く、一発に賭けるのであれば、そういう可能性も否定はできないですが・・・)。





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8-4若元春(寄り倒し)照ノ富士11-1
照ノ富士が頭からかましていて驚きました。復帰後では髙安戦でのみ見せている立合いですが、正直想像はしていなかったし、それだけ認められているということを若元春にはぜひ誇りに思ってほしいものです。
若元春は期待通り突き立てていくも、そういう照ノ富士の角度もあって起こしきれず。左おっつけから左を差して左四つの展開。正面に詰めながら左下手を引いた横綱ですが、若元春すぐに切るや、右から絞って右横ミツ。左も引いて両廻しで一気に赤房へ出た。

しかし、照ノ富士もさすが。下がりながら左足前に置き換えつつ、左を引き直し、逆に相手の下手を切りながら下手櫓気味に体を入れ替え、しぶとく残す若元春を寄り倒しました。
思い切り右足を軸にしての投げ、最後粘られて自身も土俵下に勢い良く落ちたことにより、足を気にする仕草を見せたのは心配ですが、残り3日、なんとか体に鞭打ってしのぎ切る覚悟でしょう。

若元春としては、すごい逆襲でしたし、廻しを切ってすぐに仕掛けるという判断も悪くはなかったと思うのですが、いかんせん横綱に後ろがありすぎたので対処されてしまいましたね。
あそこでひと呼吸置いて、両廻しを十分に引き、横綱には与えない体勢を整えてから、崩し技も入れつつ攻められていれば結果も違ったのでしょうけど、そういう余裕はこれから作り上げていけばいいだけのこと。
今、この横綱と真っ向組み合ってここまで渡り合える人はいないですから、改めてなんと強いことかと感じましたし、本当に見ごたえのある一番。
連日理事長の称賛を引き出すなど、負けた相撲においても十分にアピールしていることですし、どうか今場所こそ三賞を・・・と。勿論残り3日の結果・内容も大事ですが、個人的にはそればかりを祈りながら楽日を迎えることになりそうです(笑)









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