土俵一路

本場所中の更新に加え、場所と場所の間は花形力士の取り口分析、幕下以下有望力士の特集などを書いています。 「本場所中も本場所後も楽しめる」をコンセプトとして、マイペースかつストイックに我が道を往き続けます。                他サイト等への転載はご遠慮下さい。

2018年05月

今後どのような結果に転ぼうが、もはや今場所の主役は栃ノ心ですから、ここからは楽日まで、この「みなし新大関(?)」メインで行きます。

栃ノ心 12-0→12-1→12-2

12日目の感想
色々な意味において衝撃的な、あまりにインパクトの大きい一番になった。
栃ノ心が右四つ真っ向勝負で白鵬に力勝ちをしたという事実がその最大であることに関しては論を待たないが、筆者がそれに並ぶほどの驚きを抱いたのが、立合いにおける主導権争い。珍しく、本当に珍しく栃ノ心が駆け引きを用いて、第一人者の意図を挫かんとしたのだ。
すなわち、これまでは先に腰を下ろし、横綱が腰を下ろすのに合わせ先に手を着いていた栃ノ心が、この日は一度目の立合い、頑なに手を下ろさず白鵬の突っ掛けを誘った‐格上である白鵬の呼吸で立つことを許容しなかった‐のである。
自分の呼吸だけで立って、鋭く踏み込み先手を取るという白鵬の立合いに後手を踏まないための対策として、恐らくこの点だけは何があっても譲れないと考えたのではないか。
決して駆け引きを褒めるわけではないけれど、栃ノ心がこの取組にかける覚悟がどれほどのものなのか、「挑む」のではなく「倒す」ために白鵬に向かっているのだという執念がひしひしと伝わってきた。

翻って白鵬は、この栃ノ心の策戦に戸惑ったことだろう。それでも「ならば」と相手の重心がわずか後ろに寄ったところで立ちに出るも、栃ノ心は応じない。
仕切り直し、ここで「白鵬コンピューター」は瞬時に相手の狙いを逆用すべく様々な情報をはじき出した筈。しかし、二度目の立合い、今度は栃ノ心が普段と同じような呼吸で手を下ろし白鵬を待ってきた。ここまでの一連を栃ノ心が想定していたとすれば恐るべきことだと感じるが、そうではなかったとしても、結果として一度目と違う方法で仕切ったことが白鵬に当たり勝ちを許さない要因となったのではないか。当たりとしては五分と五分であっても、立ち遅れずに当たり合えたのならば呼吸を制したのは栃ノ心、そのようにも言い換えられるだろう。

その後の展開については、多くを語るのが野暮という、がっぷり四つの力比べ。
敢えて言えば栃ノ心の左上手が浅く、力が十分に伝わって白鵬に切ることを、その遑さえも与えない。本当に良い位置を取り、良い引きつけをするようになったものである。
横吊りの応酬で互いが砂をサササッと踏みしめるサマはまさに壮観、然し二度三度とその動きを繰り返すうち、小刻みにすり足で動く栃ノ心に対し、白鵬の腰が浮きはじめ足の力を相手に伝えきれない。この機を逃すまじと全精力を振り絞って仕掛ける栃ノ心、残す白鵬…
正面土俵付近での珠玉の攻防は、最後栃ノ心が差し手の右を抜いて喉輪に変えたことが決め手となり、ついに決着。「歴史が動いた」との表現が決して大げさではない大一番の幕がここに下ろされた。



・明日の展望
vs正代
数日来繰り返すようで恐縮ながら、右肩に不安を抱えて場所に入った栃ノ心、今場所初日で松鳳山と対戦して以来、ガチガチの左四つ力士とは対戦がない(琴奨菊は対栃ノ心戦において主に右四つを採用)。
それゆえ絶対に左を差しに来る正代との対戦で差し手争いをいかに展開させるか、正直に言って未知数な面がある。
左で上手を引ける可能性は高いのだが、その場合でも右を差し負けて左を深く差され、出足の良い正代を中に入れてしまえば劣勢は避けられない。逆に差されたとしても右からおっつけて挟み付ける形を作ることが出来れば、外四つないし、右を差して十分に胸を合わせ、優勢に持ち込めるだろう。右の使い方が最大の焦点だ。

明日の内容が、正代同様二本差しを得意とする14日目以降の対戦相手(鶴竜・勢)にとっては試金石ともなりうるだけに、優勝争いを占う上でもきわめて重要な一番。
栃ノ心にとっては、白鵬という巨大な壁を越え、なおも鶴竜という大きなハードルへ向かわねばならぬその前に、もう一段それなりの高さで飛び越えねばならぬ難敵が待ち受ける格好。2度目の優勝に向けて、まだまだ試練の取組は続いていく。



13日目の感想
栃ノ心は右を固めて左で踏み込むいつもの立合い。廻しをとらせないように動く相手を、ならばと突き放し、右おっつけ左喉輪で攻め立てる。正代の左が滑り込みそうになると右で巻き替えに出て(この流れは反対四つとはいえど稀勢の里を思い起こさせたし、栃ノ心の取り口を考えた場合、好手であるとは言いがたい)、正代が得たりとその右を左からおっつけて攻め返すと、右の力を抜き、右半身を解いて正対。
ここで予想以上に正代の頭が低かったために、栃ノ心がそれに合わせて自分の頭も下げてしまう。正代の方にしても特別頭を下げたことによって出来ることは多くない、むしろ栃ノ心が少し圧を加えたことで足が揃って引かざるをえないような形勢なのだけど、その引き足に栃ノ心も頭を下げたままついて行こうとしたためにもう一歩足を送りきれなかった。本人が「足やな」と敗因をつぶやいた所以だ。
そもそもが膝の欠陥もあり、この日のように「つかまるもの」がないままに前掛かりで押し込んでいくのは不向きな人が、珍しくああして強引に追いかけていったのだから、攻め急ぎ・勝ち急ぎとの評は適当とせざるをえないか。これ自体は僅かなタイミングの問題であると言えなくもないのだが…

その他にも栃ノ心の立合いがやや高く、上手の取り方も上ないし横の角度から行っていること、正代の立合いも普段よりは低く、事前に見所として挙げた差し手争いの面だけでなく、スムーズに右腰を引いて栃ノ心の左上手を嫌うような動きにも移行できたこと、また最後の場面以外でも栃ノ心の足が終始手の動きと噛み合い切っておらず攻めが纏まらなかったこと(これは正代が栃ノ心との距離感を意識してうまく間合いを取れていたことにも関係するが)など切り口は様々あって、総じて硬さ(或いは相反する心情による緩み)といった精神的な要因よりは、正代という相手との取り方に起因する事情が多いのではないかと思う。そして、前日分にも書いた通り、正代に対して抱く取りづらさは明日の鶴竜・楽日の対戦が予想される勢にも通じる箇所があるだけに、栃ノ心の対応能力が問われる残り二日となりそうだ。



14日目の展望
vs鶴竜
優勝争いの行方を大きく左右する一番。
先場所は左からの引っ張り込みが機能し、早く胸を合わせたことが勝因となったが、鶴竜とて同じ轍は踏むまい(だいぶ良くなっている横綱の右がどれくらい使えるかによっては、先場所と同じ策戦ですら通用しない虞もあるが)。
栃ノ心に先に上手を与えぬよう突き上げてくるか、或いは前日の逸ノ城戦同様に張って二本差そうとするか、 引き出しは多い人だけに、色々と考えはあるだろう。
栃ノ心としては、初場所のように突き立てて相手の腰を伸ばすか、食いつかれた場合には体勢を整えられないうちに右の差し手もうまく使い、攻めながら上手を引く格好を作りたいが、どちらの場合も13日目に痛めたもようの右手首が気がかり。白鵬戦同様、立合いの呼吸具合も大きなポイントだ。


14日目の感想
立合い栃ノ心が左を覗かせると、鶴竜は右から絞って右前廻しを探り、次いで右で栃ノ心の左横っ面を張るようにして突き上げるという、あまり見かけなくもあり面白い動きで隙間を開けてから、右を巻き替えに出た。
栃ノ心は鶴竜が差したところで左上手を取れはしたのだけど、鶴竜すぐに左から攻めて差し手争いに持ち込みつつ、右の下手を深くするや、今度は右から振っておいてまた左を覗かせんと巧みに揺さぶったので遂に大きな焦点であるもろ差しの突破を許してしまった。このとき栃も右で上手を引いて外四つ、力ずくで抜き上げんとしたが、廻しも伸びておりこれは無理。
鶴竜としては、上手が伸びている反対解釈として切りづらいので、その対策として栃ノ心大得意である左上手からの投げを出させないよう栃の右腰側にくっつく判断も適切で、左を深く、右は浅く持ち替えた両肘の張り方も絶品。
それでも栃は首の位置を変えて左を生かさんともがき、次いで鶴竜の出足に合わせて右で首を捻りながら左から振って強引に左へ腰を回さんとするのは迫力満点であったが、鶴竜は再度右を深くしながら右外掛け、栃が掛け投げ気味にはね上げんとするも構わず横について、最後は送り倒し気味の掬い投げと冷静に応じられては打つ手なし。無念、今場所はじめて追う立場となった栃ノ心は、一縷の望みにかけて楽日の土俵へと向かう。



千秋楽の展望
vs勢
体調面は今や限界に近づきつつあるはずで、中盤までのように「楽な相撲を取らないことが重要」と書くのも気が引けるのだが、勢の方も左膝裏の怪我などで満身創痍、当然右を差しての速攻に打って出ることが予想されるため、栃ノ心が立合いで狙う左の位置が悪ければ、一挙に持っていかれるかもしれない。やはり出来る限りの踏み込みをして良い位置の上手を取ることが最重要だ。
そうして組み止めてからは右の使い方が肝腎。(右手首の状態はひとまず措くとして)右の下手を十分に引きつけて勢の投げ腰を生かさせない慎重な攻めが求められる。
 

お馴染みの北の富士さんが「笑っちゃうくらい強い」とまで形容する「遅れてきた強豪」と、その猛威を誰よりも濃く強く実感しているであろう二人の横綱、三者鼎立の優勝争いはいよいよ終盤戦へと突入する。


栃ノ心 11-0
伝言板の方で指摘したような「ちょっとした緩み」もなく、集中しきって連勝街道を走り続けている。
あまりにもまともに取りすぎている感がある対戦相手の方に、もう少し揺さぶる(右膝に重心をかけさせるというだけでなく、右肩が悪いという報道も出ているので、単に変わる・飛ぶというだけでなく、栃ノ心の左を取らせず右腰にくっつくような狙いも含め)意識づけがあっても良いとは思ってしまうし、本人の頭にも少しはそういうものが過るのではないかと想像するのだが、本当に強い時というのは、相手のことをアレコレ考えないものなのかもしれない。また今日の相撲も右からの攻めが自然に出ていて、ひとまず右肩の状態も悪化させることなく来られているようだ。

11日目の展望
vs 琴奨菊 7-24 過去6場所 ‐○●‐○○
琴奨菊が大関時代対栃ノ心戦16連勝していた時期の内容はこちらの通り。最近も琴奨菊が対右四つ用の戦術である右差し左前廻し狙いに出るのは変わらないが、栃ノ心の踏み込み良く左上手も早いので太刀打ち出来なくなってきた。
オプションとしては本来の左四つ狙い(右引っ張り込み)ともろ差し狙いがあり、明日はこれらに変えてくる可能性もあるか。
いずれを採るにせよ琴奨菊の左と栃ノ心の右で差し手争いになるのは必至であり、琴にとっては右肩に不安を抱えるとされる今場所の栃が初日、左四つの松鳳山戦で二本差されていることもヒントになり得る(それ以降は左四つの力士と対戦なし)。個人的にはもろ差し狙いで中に入る策戦がもっとも有効ではないかとみるが。

11日目の感想
向正面解説の稲川親方が、私見と同様に琴奨菊のもろ差し狙いを推奨していて嬉しかったというプチ自慢を最初に(笑)
そのあたりは栃ノ心が取組後に話した内容も気になっていて、曰く「立合い差すか廻しを引くかで迷った」とのこと。これを琴奨菊に左前廻しを取られた後の対応で「(自分の下手を)差すか廻しを取るか迷った」と捉えるか、或いは「琴奨菊が(左を)差すか(左前)廻しを引くか、どちらの策戦で来るか迷った」と捉えるべきかはなかなか難解な問題(現時点でこの点を詳述した記事は見当たらない)。

ただ、本人の狙いがどうであったにせよ、その踏み込みはやはり強く、琴奨菊の右を引っ張りこんだ左で揺さぶりながら徐々に右を差そうとしていくと、琴奨菊の左からの締め付けが弱まり、右を差して下手を引くことができた。
さらに左で起こしてから右で大きく振って崩すや、またも左でおっつけながら上手を引くという左右一連の動作も理に適っていて、なおかつ低迷期の栃ノ心には欠けていた技術。
上手を取ってからの流れについては、もはや触れるまでもないだろう。かつて苦手とした大関経験者を堂々と退けた一番は、大関昇進を確実とするにふさわしい風格溢れる11勝目となった。

明日の展望
vs白鵬 0-25
さあ、いよいよ横綱戦の幕が開ける。
過去の対戦は、よく知られているとおり白鵬のシャットアウト状態。これまで定番のように使われていたフレーズは「右四つに組めば、栃ノ心は十分でも白鵬は十二分なんだから」というもの。実際、どうしても踏み込みの角度や速さ・鋭さに差異があり、栃ノ心の左上手は上から、ないし変化気味に横から掴む形になるため横綱の柔軟な体質に対しては引きつけが効かず、またいとも簡単に切られてしまうことで絶対的優位を築かれ、為す術もなく破れてきた。
上記琴奨菊戦の感想でも記した通り、現在の栃ノ心は左をおっつけながら良い位置の上手を引けるようになり、引きつけに移行するタイミングも早くなって確実に手強さを増してはいるが、なおも白鵬の鋭い踏み込みに対して後手を踏む公算は大きい。横綱は左前廻し狙いの他に、もろ差し狙い・左で張ってもろ差し狙い・単に張り差しで右四つ左上手を作らんとする可能性もあるが、いずれにせよ踏み込みの鋭さを前提にしたものであり、栃ノ心としては先手を取られないような自身の立合いに集中するのが第一とはいえ、前哨戦で突いて出るなり何かこれまでとは違うことをして横綱を慌てさせるような狙いも考えているかどうか。
単なるミラーゲームと化しては依然白鵬有利というのが、私見のみならず恐らくは大多数の協会関係者にも共通した見解であろう。その意味でも栃ノ心が明日どれだけのことをやれるのか、熱い視線が注がれることとなる。



鶴竜 10-1
鶴竜は今日の取組を受けて、「(ここ数日の好内容で築いてきた)良い流れを自分で台無しにした」と話したよう。考えこんでしまって失速するというのが過去にもあり、また松鳳山戦の負けも相手の出方に迷っての立ち遅れが主因とあらば、分析スタイルのブログとはいえ、精神面を最終盤の課題に挙げざるを得ない。明日以降対戦相手の地力もグッと上がってくるだけに、気を引き締めてかからねば、連覇どころの話ではなくなってしまうだろう。

11日目の展望
vs御嶽海 過去6場所 ●‐‐‐●‐
対戦成績2連敗中で、優勝した先場所も割崩しによって対戦の機会がなかった。
鶴竜が苦手とする小さくなってササッと間合いの中に入り込んでくるタイプゆえ取りづらそう。立合いの強度も増しているだけに変に受けてしまうと大変まずく、負けじと突き上げて行っても下から下から宛がう動きが邪魔で思わず引いてしまうケースから負けた(29年初)こともある。
張り差しで止めるのもさほど上策とは言えないだけに、とにかく踏み込んで先手を取り、むしろ御嶽海に引かせるくらいの圧力で突き放していきたい。迷いを吹っ切り、最終盤への弾みとするにはこれ以上ない相手、今場所の分岐点ともなりそうな取組と言えそうだ。


11日目の感想
いやはや、横綱は立派に切り替えてきた。厳しい踏み込みで当たり勝ち、目論見通り御嶽海に引かせる形を作ったのだから、その心裡を去来したであろう迷いを見事断ち切り、この日の土俵に込めた強い覚悟のほどが伺える。
御嶽海に向正面側へと回りこまれたところから引きが出かかったようにも見えるが、これは解説の鳴戸親方も指摘した通り「まともな引き」ではなく、横にいなしながら相手を崩していかんとする「正のサイクル」によるもの。
そんな横綱ペースにも関わらず、揺さぶりに動ずることなく横綱を正面に見据えながら、突いてくる手を的確に跳ね上げ跳ね上げ追い詰めんとする御嶽海の攻勢もまたあっぱれで、負けじと鶴竜も本人が「絶対に引かない」と話したとおり、上体を起こさず懸命に相手の中から中から突きの手を出さんとしていく。
最後は御嶽海が右ハズ左で突くところで少し空間が生まれ、鶴竜が柔らかく身をこなしながら左を開き右に回る動きに御嶽海がわずか足を送りきれず、好戦に終止符が打たれた。
双方よく攻めよく凌いでの力戦奮闘が光った白熱の攻防、鶴竜にとっては本当に大きな勝ち星となりました。


12日目の展望
vs勢
およそ1年ぶりの対戦。一時期3連敗も経験した苦手の一人で、立ち合い前廻しを狙う鶴竜の左を勢の右に引っ張り込まれることで攻めあぐねるパターンが目立つ。
勢が得意とする右からの投げは、先に左からの攻めで圧力をかけてから繰り出すことで効果を高めるので、横綱としては前回勝利した29年春のように両廻しをしっかりと引きつけ勢に投げ腰を使わせぬ攻めに徹したい。
右手指の状態ゆえ力相撲を避けたい意図がある場合は突いて出る可能性もあるが、今場所の勢はよく体が動いているだけに、懐の深さ・回り込みの上手さも計算に入れておきたい。


白鵬 10-1
10日目の琴奨菊戦は甚だ見苦しい呼吸具合で立ち、予想以上の批判も飛んだが、調子自体を見れば、完敗を喫した阿炎戦以降、立合いのバリエーションに依存するのではなく鋭い踏み込みで確実に先手を取る内容が目立ち始め、持ち直し基調にあることは間違いない。
優勝するとすれば先行逃げ切り型が断然多い横綱、然し今回は逃げる栃ノ心を懸命に追いかけ、何としても引きずり下ろすという心境で居るだろう。おそらくは12日目にも組まれそうな直接対決、それまでに2差をつけられることだけは避けねばならない。


11日目の展望
vs正代 3-1 過去6場所 ‐○‐‐‐‐
29年1月・7月と、白鵬が立合い右にずれながら右で強烈に張って(効能としては、いなしているのに近く、少なくとも張り差しではない)、正代を昏倒させる取組もあった。
横綱としては顎を上げて立ってくる相手にそれだけ隙があるのだから…と言いたいだろうが、今場所大栄翔戦での張りに横審委員長が苦言を呈し、それを伝え聞いて以来は(立合いでの張りを)封印しているだけに、明日も左前廻し狙いで踏み込みつつ、突き放して勝負を決めにかかる公算が高いか。
左を差されそうになれば、左喉輪右おっつけの型で攻め上げるなり振りほどいてまた突くなり、流れに応じて体を動かしていき、土俵際の逆転にだけは気をつけながら詰めにかかりたい。

正代としては、横綱の出方をある程度想像しているでしょうから、出来るだけ低く踏み込んで横綱の引きを下からはね上げはね上げしながら中に入らんとする形勢に持ち込めるか。左でも右でも入ったら間髪入れぬ出足で前に出たい。

今場所分は順位のみの更新と致します。あしからずご了承ください。

目前ランキング
1千代の海 九重 H5年 182 126 西筆頭
2木﨑  木瀬  H5年 176 136 東4枚目
3一山本 二所ノ関  H5年 186 132 東5枚目
4村田  高砂  H6年 182 157 東7枚目
5若元春 荒汐  H5年 185 127 東10枚目
6琴太豪 佐渡ヶ嶽 H5年 188 138 西10枚目
7友風  尾車 H6年 183 169 東13枚目
8湘南乃海 高田川 H10年 194 156 西11枚目
9玉木 高砂 H6年 180 140 東12枚目
10若隆元 荒汐 H3年 184 117 西13枚目 


再起ランキング
1天風 尾車 H3年 184 201 東筆頭
2栃飛龍 春日野 S62年 177 154 東2枚目
3常幸龍  木瀬 S63年 188 156 西2枚目
4希善龍 木瀬  S60年  195 160 東3枚目
5出羽疾風 出羽海 H元年 178 138 西5枚目

6天空海 立浪 H2年 183 171 西3枚目
7北磻磨 山響 S61年 181 124 西4枚目
8豊ノ島  時津風 S58年 169 156 東14枚目
9炎鵬 宮城野 H6年 169 94 東6枚目
10富士東 玉ノ井 S62年 180 172 西8枚目

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