大翔丸翔伍 出身:大阪 生年:平成3年 所属:追手風 身長:174センチ 体重:157キロ

<立合い分析>
額で当たりつつ、右で相手の肩から胸のあたりを突きながら左でおっつける立合いを基本とする。
右差しに来る人や右の突きを主体とする突き押し相手に対してはこの型がビシっとハマりやすい。左四つ相手には同じ形で当たるケースもあれば、左ハズで右からおっつける法を採用することも。
その短躯がゆえに、190センチ級の相手とやる場合、どうしてもやや伸び上がり加減に立ってしまうことがあり、おっつけが高くなってハマらずあっさり組み止められがちなのは課題。とりわけ輝(0-6)・栃ノ心(0-4)には毎回易々と引っ張りこまれて抗えず、大の苦手となっている。
変化気味に出ることもそれなりに多いが、必ず一つ額でかましてからの仕掛けで、相手が差しに来る方の手からかっぱじいたり、かち上げに来る手を払いのけるようにしたりと意図がハッキリしているだけに、この体つきの力士が繰り出す手段としては、決して批判されるべきような性質のものではない。


踏み込み足:右
手つき:相手に応じて、先に手を着かせてから両手を下ろして立つパターンと、先に両手を着いて待つパターンを併用。前者では左の手つき不十分、後者では左の仕切り線オーバーが散見される。
呼吸:以前よりは改善傾向にあるが、全般に遅く、やや利己的と評価せざるをえない呼吸具合である。


<取り口分析> 
短躯かつアンコの体をよく生かし、押しの一手を高めて着実に力をつけている。
たとえば右四つ力士と対戦する場合は左おっつけで差し手を殺す。相手がたまらず右から引っ張り込みにかからんとすれば、左をハズに変え、今度は右からおっつけ・ないしモロハズの格好で、下からの押し上げを効かせていく。この時、手の動きに対してスムーズに出足が伴うことも含め、まさに基本型通りの熟達した押しの構えと言えるだろう。
差せずに焦れた相手が強引に出てきた場合には、その出足を利用しながら回り込み、挟み付けるようにしての突き落としを繰り出すのも特徴で、幕内の番付において初めて二桁勝利を記録した29年秋は、10勝のうち実に7番をこの決まり手によってあげている。
こうした技が決まるのも、しっかりと自分の圧力が相手に伝わっている所以ではあるのだが、やはり本人の理想は、横からの攻め・外からの攻めではなく、真っ向から低く攻めて、相手に引かせるような押しで勝負をつけること。30年春は9勝のうち7勝が前に攻めての早い決着によって勝ち取った白星で、同じ関西出身の実力者である勢や妙義龍を圧倒したのも大きな自信となったのではないだろうか。入幕3年目を迎え、いよいよ上位初進出への視界が開けてきた。