坂元元規 出身:鹿児島 生年:平成4年 所属:追手風 身長:183 体重:170

<プロフィール>
日大相撲部では遠藤の2学年、大翔丸や剣翔の1学年後輩。卒業後日大職員となり、実業団横綱のタイトルを引っさげ、 今年初場所で幕下15枚目格付け出しデビュー。以降5場所続けての4勝3敗と派手さはないながらも着実に番付を上げ、来る九州場所はいよいよ十両昇進に王手をかける状態で迎えることとなる。

<取り口>
右四つ左上手を取れば力を発揮できる。左上手の引きつけは非常に強く、右を返しながら胸を合わせて寄り詰める重厚な攻めは、腰の下り具合も良く、安定感十分。
立合いも、相四つ相手にしばしば左へ動くようにして上手を探ることがあるものの、基本的には183センチ・170キロの体重でもしっかりかましていけるのは長所で、相手が突き押しタイプならば、左前廻しを狙うようにして踏み込み、二の矢で突きを跳ね上げながら押して出ることもしばしば。

課題としては、四つでも押しでも相手を正面において取れれば強いのですが、どうしても体質的に素早い方ではなく、膝が入りやすい面もあるので、横から横からと攻められた場合の対処には不安があること。
これは、多少体質的な問題があるにせよ、決して体にどこか大きな故障を抱えているわけでもなく、年齢的にも若いですから、四股やすり足、ぶつかりなどを中心に基礎を徹底的に積み上げていくことである程度は改善されるので、将来的にはそうした成長を望みたいですが、そもそも…というポイントとして、名古屋の武玄大戦にせよ、秋の栃丸戦にせよ、形も整わないままに相手の動きに合わせて素直に追いかけすぎているのを、相手次第ではもう少しどっしりと構えて手元に引き寄せるくらいのイメージで取っても良いんじゃないかなというのは感じました。
この2点を両立させながら磨いていけば、自ずと良い方向に向かっていくのではないでしょうか。


<今後に向けて>
短めですが、もはや十両目前という地位にある人なので、今回はこのあたりで。今年は時間が許せば、全関取レビュー(別ブログ)で来年初場所分昇進力士についても取り上げる予定なので、スンナリ上がってくれれば、そこで「幕内を目指す上で…」という観点から書こうと思っていることを幾つか触れようと思っています。