土俵一路

本場所中の更新に加え、場所と場所の間は花形力士の取り口分析、幕下以下有望力士の特集などを書いています。 「本場所中も本場所後も楽しめる」をコンセプトとして、マイペースかつストイックに我が道を往き続けます。                他サイト等への転載はご遠慮下さい。

Category:力士別分析 は行 > 武将山

11日目の展望
vs 東龍
右四つ(あるいはどちらの四つでも)早くに捕まえてしまいたい東龍と、それを許さず下からモチャモチャと押し、焦れて叩いたところに付け入りたい武将山。
立ち合いは左ずれの左おっつけ右差し封じで行くと思いますが、この際、右を相手に引っ張り込まれないよう注意を払いつつ、さらに喉を押して仰け反らせ、腰を立たせること。たまらず呼び込んできたところへ角度良く押し込むことができれば、勝利は近い。
地力のある幕内経験者相手だが、臆せず挑み、3たびの白星先行へ!


11日目の結果
● 上手投げ 5-6
前日に続く土俵際での逆転負け。展望で書いた中身に照らして敗因を挙げるなら、「腰を立たせる」手間をかけぬまま詰めていったこと。十分膝が曲がった状態で、余裕をもって武将山の突きに対応しているからこそ、下がりざまのあの投げを繰り出せる。東龍にとって、まだまだ苦し紛れという段階ではありませんでした。

組み止められたり、押し込まれての敗戦が少なく、相手を押し込みながらの逆転負けが非常に多い最近の武将山ですが、その中身を細かく見ていくと、惜敗のように見えて惜敗ではない必然の負けがまだまだ多いことに気付かされる。
今場所、阿武咲が正代に敗れた際、荒磯親方が「この負けを惜しいと思っているようではずっと勝てないまま」という非常に厳しい論評をして話題になりましたが、武将山にも一つ一つの「惜敗」を突き詰め、足りなかったものを具体的に潰していく作業が必要なのかもしれません。
もっともっと強くなれる。伸びしろだらけの新十両なのですから!


12日目の展望
vs 矢後 3-8
3連勝スタートのち8連敗とすっかりコンディションを崩している矢後。あまりの変調がゆえ、4日目の貴源治戦で張られた際に膝を悪くしたのではないかと推測していますが、ともあれ両者にとって来場所の十両残留をかけた厳しい一番。相手を気遣っている余裕はありません。

幕下時代の九州場所で対戦があり、そのときは武将山の左ハズがきちっと相手の右胸を押さえて引っ張り込ませず、右はおっつけ、突破されそうになるや喉輪で距離を作り、その手を内側から滑り込ませるようにして差し手に変え、サッと前に出る自在な使い分け。こうした手の動きを、足を止めずに流れの中で行う見事な内容によって快勝を収めています。
明日も基本戦略は同じ。左ハズと右の自在な使い分けがポイントとなるでしょう。


12日目の結果
○ 寄り切り 6-6
矢後は前回のイメージもあったのか、突っ張ってから左を差すという策戦に出ましたが、武将山からすれば高い位置から繰り出される上突っ張りに怖さはない。差されそうになれば落ち着いて外し、呼び込む動きを見せても無理攻めはせず、相手の腰が少し崩れた隙を逃さずに距離を詰め、中に入っての寄りで仕留めた。昨日の反省を活かし、喉を押して仰け反らせたところに飛び込んでいく形を作れたのも良かったですね。


13日目の展望
vs 宇良
去年の7月に幕下同士で対戦し、宇良が勝利。
そのときは武将山よく攻めるも宇良の低い姿勢を崩しきれず、土俵中央に戻した宇良が喉を押して武将山を起こし、互いに顔を上げて見合う体勢。武将山の足が止まった(揃った)のを見た宇良がすかさず左で首を押さえながら右へ開く飛び違いざまの叩きに出ると、武将山足を送れずに落ちた。

明日も構図は大きく変わらず、宇良に余裕をもった前後の崩しを仕掛けられれば苦しいし、うまく腰を崩してまともに叩く場面を作らせれば武将山が優位に立てる。
顎を引き、落ち着いて相手をよく視ながら取ることができれば、決して勝てない相手じゃない。武将山は身長が低い分、足を取るなどの奇襲にも出づらいでしょうから、立合いも考えすぎないことが重要ですね。


14日目の展望
vs 千代ノ皇
13日目の結果についてはノーコメントで明日の展望を。
千代ノ皇はガチガチの右四つで、押し相撲と対する場合の立ち合いは、張り差しor引っ張り込み。
武将山としては、いつもの左ズレ左おっつけで立って引っ張り込みを防ぎながら、角度良く押し上げることで相手のまともな叩きを引き出すというプランを愚直に遂行するほかはないでしょう。


14日目の結果
● 寄り切り 6-8
新十両の関取維持に向けた挑戦に幕が下ろされました。
それにしたって、千代ノ皇の強いこと、強いこと。武将山もすべきことはしたのですが、ビクともしなかった。これで幕内とのエレベーター力士にさえなれないのだから、やっぱり十両力士は化け物の集まりだなと痛感いたします。だからこそ、そこへ戻るためには、武将山ももう一回り「化け」ねばならない。
具体的には、たとえば右四つ力士に対する立合いの左ズレを常態化させるのではなく、まずはガツンと真っ直ぐかまして相手を下げるくらいの圧力がなければ…ということなんでしょうね。


千秋楽の展望
vs 旭秀鵬
ベテラン力士たちの経験および地力の前に兜を脱ぐ場面が多かった今場所、最後に1人だけでも倒し、挑戦の場所を白星で締めくくりたい。
相手も今日負け越しが決まっている分、そんなに熱り立ってはこないでしょうから、おそらくは得意とする右かち上げからの叩きで「落とす」狙い。ならば、しっかりと誘いを受けて、「落ちない」ように頑張るだけ。最初の叩きにしっかり足を送り、相手を上目遣いに見据えながら、もう一度叩きたくなるような角度で迫っていけるか。期待して最後まで応援したいと思います。


千秋楽の結果
○ 押し出し 7-8
旭秀鵬のかち上げを読み切り、しっかり左を固めて跳ね上げると、その後の叩きにも難なく対応し、逆にバランスを崩した相手を落ち着いて押し出し。
旭秀鵬の相撲が短絡的にすぎた面はあるにせよ、解説の岩友親方も指摘していた通り、相手の策戦を十分に理解してすべきことに徹した完勝。番付の降下を最小限に食い止める、大きな7勝目をあげ、新十両場所を終えました。



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6日目の展望
vs 東白龍
昨年九州、幕下同士で対戦していて、このときは東白龍(当時白石)の完勝。
武将山が立合いで完全に受け損ない、白石の突きに仰け反ってしまいましたから、そうなると後は白石が先に先に攻めて動いて自分のペースへ。
鶴竜の叩きにも似た、右手でフェイントを入れながら左に開き、右手で相手の右腕のあたりを押さえて肩透かし気味に仕留める一連がドンピシャでハマりました。

武将山としては、あれだけ目線を上下させられた上に、スピードをもって横へ揺さぶられると付いていくのは難しい。二の舞とならぬためにも、まずは立合いにどのような修正をかけてくるか注目しています。


6日目の結果
○ 押し出し 4-2
武将山の立ち合いは、前回と比べてやや仕切り線から下がり目だったか。
前回のように突き起こされることなく、腰も崩れず、確実に受け止める。
昨日の余裕なき前進とは対照的な、下がりながらも余裕をもった対応で黒房側、相手の伸び切った腕を手繰る得意の流れで左に回ると、相手の苦し紛れの叩きに付け入って、勝負を決めた。


7日目の展望
vs 常幸龍
先場所の中盤から今場所3日目まで10連敗して心配された常幸龍ですが、4日目以降3連勝と挽回してきましたね。
両者の対戦は4年前に一度あるのですが、偶々その日の映像だけ残されていない不運により確認できず。よって、分かる範囲で展望を書いていくことにします。
立ち合い、常幸龍は左で張って右差しを狙いつつ、相手を止める狙いが予想される。それに対し、足を止めて視ながらの押しになってしまうと、受けの強さを生かして捌く常幸龍ペースになってしまうので、武将山としてはいかに起こされず、足を止めずに相手の中に入っていけるかでしょう。


7日目の結果
● 叩き込み 4-3
いやあ、うまく取られましたね。まずは当たりですよ、何と言っても。あれだけ鋭く踏み込んでくるとは…完全に予想外でした。
そして、右かち上げ気味、左前廻し狙いの踏み込みで行きつつ、武将山が重心を右に寄せて左でおっつけにかかるところ、サッと右を抜いて頭を押さえ、右(武将山から見て左)に開く。
こういう芸当は事前に考えていないと出せないというのが一つ、また、どれだけ頭で考えても実際にやりきれるセンスがあるのは一握りの力士だけというのがもう一つ。
ともあれ、完全にしてやられました。武将山もひょっとすると張り差しを予見していたのかもしれません。強さも速さも巧さも全てで上回られた。結構堪える負け方だとは思いますが、切り替えて明日に向かうしかないですね。


8日目の展望
vs 荒篤山
今場所2度目の幕下戦は、ここまで3-1と好調、新十両に向けて視界良好の荒篤山戦。
この人がなかなかに個性的な取り方をする力士、詳しくはいずれまた書きますが、簡単に言えば俵に詰まってからが本領発揮というタイプなのです。
前回対戦した去年秋場所も、武将山が首尾よく土俵際まで押し込んでいくも粘っこく残して反撃、ただ、下半身が硬いので、自分から出ていくときには支えるものがなければバランスを崩されやすいのも欠点で、いなしに泳ぐところを送り出した武将山が勝っている。

明日も似たような構図になりそうで、武将山としてはどちらかと言えばよく視ながら相手に突かせる展開のほうが取りやすいかもしれない。
そうじゃなく自分から出ていく流れになったときは、土俵際で手を伸ばしきりにせず、回転よく突っ張るなり、重たい相手の腰を崩す工夫をつけたい。


中日の結果
● 突き落とし 4-4
立ち合いの呼吸を制されたところから、つつがなく荒篤山ペース。攻守二転三転しましたが、相手をよく視ながらずっと腰の位置が変わらずに安定していて、その腰を崩すだけの攻めができなかった。
二度ほど引いたのも、必ずその前に一つ仕掛けてから呼び込み加減に差し込まんとする余裕をもった局面打開策。二度目にして左を深く差され、最後の逆転技へと繋がってしまいましたが、そこへ至るまでの流れにしても、必殺の手繰りに行く武将山に対し、荒篤山は手繰られた腕を曲げながら体をつきつけるようにして外し、体が離れた後の主導権をスムーズに握っていて、敵ながらに「上手いなあ」と感心してしまった。
そんなわけで、武将山もやれるだけのことはやったものの、個人的な印象としては見た目以上の完敗。
もっとも、力は出し切れたので明日には繋がるはずと信じたいですね。


9日目の展望
vs 千代の海
正真正銘の初対戦となります。
イメージとしては、スピードがあって横への動きも巧く、曲線的な相撲がとれる力士。
圧力自体はさほどでもなく、一方的に押し出される怖さは感じないので、とすれば相手のいなしに泳いで突き落とされるか、まともな叩きを引き出して付け入れるか。
結局、ここまで勝った4番は全部相手に思わず叩きたくなる選択を強いているがゆえ。
また、スピードがある相手に対しては、変化なども頭に入れ、自分からは突っ込みすぎず、顎を引いてよく視ながら…という取り方をしていますから、明日もその方向性でいけば、相手にとっての取りづらさを演出できるのかなと思っています。


9日目の結果
○ 首投げ 5-4
概ね、昨日書いた思惑どおりに取れたと思います。しっかり受け止めながら相手の呼び込む動きを引き出しての追撃。
ただ、千代の海が呼び込んだのも、一応距離を取ったタイミングで、動かした方も一度まっすぐ引いてから右へ回り込んでいく「曲線的な」崩しになっていた分、好手とは言えないにせよ、まったくの的外れというわけではなく、実際紙一重の勝負だったと思います。
武将山が良かったのは、まず右の前ミツを引いて食い下がれたこと、さらに左が空いて相手に右を覗かれ、普通ならそのまま体を預けて肩透かしを引かれそうなところ、右前ミツからの持ち上げる力も利用しながら左を首に巻き、無理やり体を左へ廻したこと(最後は右でも相手の左手を引き込んでいる)。
なかなか咄嗟にあの動きはできないと思うし、執念という言葉でしか表せないような勝ち方。
ともあれ、再度白星先行の星取にこぎ着ける大きな1勝となりました。



10日目の展望
vs 松鳳山
言わずとしれた三役経験十分の大ベテランですが、今はこの地位にいるのだから大きく見る必要はありません。
立ち合い張って左を差しにくるとしても、武将山の取り方であれば外すことは可能。流れの中でも張って左差しを狙ってきますが、落ち着いて左ハズ・右おっつけで対応、突っ張りは回転が早いので得意の手繰りには持って行きづらいですが、顎を引いて的確にあてがい、陽動的な張りも顔を背けずに、粘っこい守りから始め、攻めへと転じる機を掴めるか。
もし、左四つに組み止められたとしても焦らないこと。左下手をしっかり引いて腰を据え、呼吸をはかって、右からの投げにすかさず腰を寄せていけるかでしょう。


10日目の結果
● 小手投げ 5-5
立合い、想像はしていたと思うのですが、意外と張り手のダメージが大きく(横っ面ではなく、ほとんど耳の上あたりを叩いているのに近い形なので、どうかと思いますけどね…)、相手の左差しを封じるための右手が上がってしまった。
左は上手狙いの相手に誘い込まれるように差していたのですが、武将山の意識は右に集中。松鳳山がその隙をついて右から大きく振り回す動きについていけなかった。
細かく書けばもう少しポイントはあるのですが、あまり良い気のしない負け方で筆も進まないので、この辺にしときます。



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予告通り、連日取組展望および感想を更新予定。
1日ごとに記事化していたら武将山カテゴリがガチャガチャしすぎるので、序盤・中盤・終盤の3記事に分けることといたします。


初日の展望
vs錦木 初顔合わせ
記念すべき関取デビュー戦は、幕内上位経験者・錦木との対戦が組まれました。
相撲自体はまともで立合いの変化もなく的も大きい、気持ちの上では思い切りいける相手だろうと想像します。
ポイントとしては、錦木が持ち味とする右からの引っ張り込みに対抗する左ハズの精度。この左の位置を固守しながら右の攻めを生かしていくというコンビネーションが機能するかどうか。
土俵際のしぶとさもありますから、早く体を預けすぎず、相手が体を開くスペースを与えないような詰めができるかも鍵となるでしょう。


初日の結果
●寄り切り 0-1
錦木の立合いは右差しに近く、武将山の左はおっつけの形になりましたね。
圧力不足な点はやむを得ないとしても基本的にはうまく取れていたのですが、流れの中で軸の左が外れてしまい、手四つ気味になったところで少し迷ったか、相手を見るような姿勢で足を止めてしまった。錦木がそこを逃さず頭からかましてきたので、ちょうど腰を引いたタイミングと噛み合って後退、残す腰を得られないまま押し出しで敗れました。
武将山という力士の癖でもあるのですが、あそこで体を起こして相手を見るというワンクッションを入れちゃうと、やっぱり十両力士はしっかりと追及してきますね。
また、錦木もだいぶ体調を戻してきたらしく、根本的な体格差・地力差を感じる一番でもありました。



2日目の展望
vs大翔鵬
明日は幕下西2枚目の大翔鵬と対戦。
昨日の錦木とは反対に右差し左で引っ張り込んでくる相手なので…と書くつもりでしたが、今日の錦木も右差しチックにきましたから、構図としては同じ。左おっつけ・右ハズ(喉輪)がベースとなりそう。
ただ、今日荒篤山に勝った相撲を視ても分かる通り、相手が止めることに集中していると見るや廻しに拘らず強引に出てくる力もあるので、今日勝負どころで相手を見てしまったという武将山自身の反省点も含め、腰を引きすぎないという点が大事になってくるのだろうと考えています。

錦木との違いとしては、立合いの変化や右かち上げで起こしておいての強引な叩きといった飛び道具も具えていること。武将山としては、やや左にずれ加減に立つことが相手の組み手と飛び道具の両方を効果的に封じる策となるでしょう。


2日目の結果
○ 寄り切り 1-1
立ち合いは、やはり左へズレ加減に立って相手得意を封じる狙いでした。
昨日によく似た流れ、途中また相手を見る動作が出かかったのですが、錦木と大翔鵬の違いがもう1点、大翔鵬は同じ局面で錦木のようにかまして前に出てくることなく、歩調を合わせてくれたので、そこは武将山にとって都合が良かった。
決着のところは、武将山がちょっとだけ前にのめったんですね。それで大翔鵬がまともに叩いてくれた分、しっかり距離を詰め、下に入る形でついていくことができた。
大翔鵬の大味さに助けられた面もありますが、我慢して相手に叩かせる相撲も武将山の持ち味ですから、その意味では前向きに捉えられる白星となりました。


3日目の展望
vs一山本
先場所は幕下上位で対戦し、武将山の完勝。
一山本が立ち合い、武将山の低さになって当たりに来てくれたのが取りやすく、簡単に突き上げて一山本を立ち腰にさせることができた。リーチ差を生かし、もろ手に専念した突きの先制で来られる方がよほど嫌なので、その点、明日の一山本が先場所を踏まえ、どういう立合いを採るかに注目したい。
武将山としては、とにかくアゴを引いた姿勢を保って相撲が取れるかに尽きるでしょう。


3日目の結果
○ 突き落とし 2-1
一山本の立合いはやはりというべきか、頭を起こしてのもろ手でしたね。
そうなった時に力が試されるぞ!と思っていましたが、しっかり受け止めてくれた。
相手の突きには顎を引いて対応、左喉輪には右ハズで応じ、次いでの右突き放しは強烈で顎が上がったかに見えたものの、動じず寧ろ右手を手繰って崩し、嫌がって右手を抜きながら左で叩こうとする一山本を正面に追い込む。
回り込まれて左下手を引かれますが、左四つになっても力が出るのは先場所も証明済み。別段左四つ得意というわけでもない一山本が相手ですから、組み止められたという感覚はありませんでした。
あまり長いと辟易されそうなので、組んだ後の流れについてポイントを一つに絞るなら、極める格好になったときも常に顎が引けていましたから、そこが良かったのかなと。


4日目の展望
vs錦富士
先場所対戦があり、土俵際まで追い込むもしぶとく残されて突き落としの惜敗。
左四つとされることが多い錦富士ですが、現在は左肘の故障もあってまともな左差し狙いの立合いは少なく、先場所の対戦では、お互い頭で当たり合う格好、また今日の貴健斗戦では右で張って右上手を探る立合いも見せており、何をしてくるか読みづらいタイプと言えます。
とはいえ、押し負ける心配は少ないのだから、無闇に突っ込みすぎず、よく視ながら押し上げてジワジワ出ていく自分の相撲に徹すれば十分に勝機はある。流れで左四つに組んでも慌てず腰を据え、焦れた相手の強引な投げに腰を寄せていきたい。


4日目の結果
○ 押し倒し 3-1
錦富士の立合いは右で張って捕まえる狙いでしたが、武将山まったく前傾崩れず。
先場所はやや当たり負けている分、二の矢で錦富士がいなし、それに武将山がついていく形で微妙に間隔が空いていましたが、今日は当たり勝ち、突き起こす形で間合いに入れたので、錦富士のまともな叩きを引き出せた。
それゆえ、上体だけの喉輪押しを跳ね上げられ惜敗した先場所の二の舞とはならず、下から体ごとぶつけていくような詰めで正面から逃さずに押し倒すことができたのかなと。
先場所と東西同じ、決着がついた場所もほとんど同じ正面黒房寄りでしたが、今回は武将山の完勝。2日目からの連勝を3に伸ばしています。


5日目の展望
vs 貴健斗
来ましたライバル対決。
相手はここまで4連敗と意外な不振に喘いていますが、星は関係ない。これまでとは別人の力を出してくる、そういう力を出せるのがライバル対決たる所以です。
逆に言えば、不調であるがゆえに立合いで何かしてくるかも…などという心配も不要。ただただ突き押し得意の真っ向勝負でどちらの攻めが上回るかにかかっています。
武将山としては、先場所の勝ち筋が理想。相手が突く手の内側から内側から手を出しながら下へ入り込み、相手の突きが伸びない形勢に持ち込むことができるかでしょう。


5日目の結果
● 突き落とし 3-2
立合い、貴健斗が良かったですね。先場所に比べるとハッキリ起こされました。
その分だけ同じように押し込んでるように見えても武将山の押しは上から下に、それを片方の足を前に出した姿勢で俵の力も貰いながら受け止める貴健斗という様相になっていた。これでは攻めきれない。
それでも、反撃をしのぎ、頭四つで膠着の展開は武将山優位かと思いましたが、最後の場面、うまく突き落とせたかに見えたところで足が流れてしまい…
土俵際、わずかに早くついてしまった左手、あれさえなければ…と悔やんでも悔やみきれない気持ちでいるのかもしれません。

…などと冷静に書いてきましたが、本当に良い相撲、良い勝負。昨日書いた通り、やっぱり特別な相手との対戦にそれまでの星は関係ありませんね。
意地と意地がぶつかり合う同期生対決、どうか来場所以降も関取同士で観ることができますように…



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