土俵一路

本場所中の更新に加え、場所と場所の間は花形力士の取り口分析、幕下以下有望力士の特集などを書いています。 「本場所中も本場所後も楽しめる」をコンセプトとして、マイペースかつストイックに我が道を往き続けます。                他サイト等への転載はご遠慮下さい。

Tag:三島

序ノ口
6-1隆翔生(寄り倒し)7-0朝白龍7-0
朝白龍は立合い一つかましながら、右手を前に出しつつ左前廻し狙い。上手は引けなかったが、左おっつけに切り替え、隆翔生がその左を引っ張り込んで左四つ。朝白龍休まず両廻し引き付けて赤房に寄り詰め、最後は上手投げを打つような具合で土俵際粘る隆翔生を寄り倒した。


序二段
7-0勝呂(押し倒し)三島6-1
立合い、勝呂が低く出るところ、三島はもろ手突きからすぐ右に変わりざま押さえつけるようにしたが、勝呂落ちずについていき、右半身で堪える三島を右ハズ左おっつけで挟み付けて、向正面白房寄りへ横倒しに押し倒した。


三段目優勝決定戦
東俊隆(突き出し)清乃海
清乃海左で張って右を差そうとしたか。しかし東俊隆はまったく動じずもろ手で顎を突き上げ、清乃海突き返すと左へいなすと見せてまた頭で当たり、腕を伸ばして圧力をかけ、適度な間合いを保つ。
清乃海右で張って捕まえようとするが、清乃海左でいなすや体当たり気味に体をぶつけながら左上手を探り、清乃海嫌ってまた間隔が空く。清乃海もう一度右で張ると東俊隆少し引き、清乃海が出てくるところ、さらに左へ大きく動いて右で首を押さえながら左でいなす。たまらず泳いで後ろ向きの清乃海、懸命に向き直ろうとするが、東俊隆許さずに突き立て、向正面赤房寄りで勝負を決めた。


幕下
7-0龍王(上手投げ)魁禅6-1
お互い頭で当たり合い、魁禅はやや左へずれて上手狙いも取れず。魁禅左でおっつけると龍王右を抜いて突き起こさんとし、魁禅顎を引いてあてがえば龍王左でいなしてまた突き起こす。龍王押し込んでおいての叩きで相手の頭が下がるところ右を入れ、左も覗かせんとするが、魁禅は両掌を重ね合わせるように抱え上げて龍王に差させず、右四つで胸が合う。
お互い上手を求めて左でおっつけ合う膠着状態。龍王少し右で振ると、魁禅乗じて深い左上手を探るが龍王下手から捻って許さず、魁禅右を返して上手を求めるがまたも取れず。龍王が出るところ魁禅右を大きく返して掬うと、龍王は左を首に巻いて対応し、土俵中央右四つ、場内拍手の中、またお互いに上手を望み合う。
先に動いたのは魁禅、正面側からはハッキリ見えなかったが、左を巻き替えようとしたのかと思いきや、次の瞬間には右下手を離しながら左上手を探るような動き(巻き替えを囮に、出てくる勢いを利用しながら上手を引いて振り飛ばそうとしたのかもしれない)。ただ、龍王はすぐに右腰を引いて上手を取らせずに足を止め、左で魁禅の右上腕を掴んで少し引き寄せつつ、左を首の後ろに持ち替えて捻るようにしながら右下手で振れば、魁禅踏ん張れずに西土俵で裏返った。





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鳴戸部屋

<所属年寄・裏方一覧>
師匠 鳴戸(元大関・琴欧洲)
行司 式守昂明(序ノ口格行司)
呼出 健太(序ノ口呼出)


<近況>
・元年6月に新部屋が完成。仮住まいの墨田区横川から同区向島へと移った。
・序ノ口から3場所連続優勝で幕下上位進出の欧勝竜、2年春場所で初の負け越し。
・海洋高出身の深沢と拓大出身の萩原が2年春初土俵。今年も有望な新弟子が加わった。


主な注目力士

欧勝竜(生年:平成8年 出身:大阪 身長:178センチ 体重:171キロ)
近大附高~近大で実績をあげ、元年夏初土俵。序ノ口から3場所連続優勝(名古屋・秋・九州)し、幕下15枚目以内に進出した翌場所の3番相撲まで計27連勝したが、その後は幕下上位の壁に直面、四股名を本名の元林から欧勝竜と改めた2年春場所(西10枚目)で2勝5敗と初の負け越しを経験した。部屋創設後の関取第一号を目指し、出直しあるのみだ。

固太りの体格を生かした突き押しが持ち味も、さほど顎を引かず、相手を見ながらじっくり捌いていかんとする。流れに応じて差して寄ったり、投げで崩したりする技能もあり、カテゴリとしては万能型ということになるのだろう。
何でも出来る人の不振場所というのは、えてして何がしたいのか分からないという相撲に見えやすいものだが、それにしても2年春はまったく自分の相撲が取れずに終わった。
しかし「まず基本の押しを磨かないことには何をするにしても効き目がない」というシンプルな体感を本場所の土俵で骨身に染み込ませることが出来たのなら、大敗や挫折にも意味がある。その真価は遠からず発揮されよう。


丸勝(生年:平成12年 出身:新潟 身長:174センチ 体重:136キロ)
新潟・海洋高校相撲部を経て、欧勝竜と同じ元年夏初土俵。4場所連続勝ち越して2年春は幕下が見える地位に迫ったが、さすがに家賃高の色濃く、1勝6敗と崩れた。

174センチの上背ながら胸から当たって二本差し狙い(根は左四つ)。最高位の場所でもある程度中に入ることは出来ていたが、まだまだ腰から下の力が弱く、しゃくって前に出るというこれまでの勝ち味は通じなかった。もう暫く三段目中位あたりで揉まれながら、猛稽古によって相撲力が湧いてくる機を待つことになりそうだ。


櫻井(生年:平成9年早 出身:茨城 出身:184センチ 体重:119キロ)
柏日体高~日体大。欧勝竜や丸勝と同じ元年夏場所デビューで、同名古屋では3人による序ノ口優勝決定巴戦を演じた。しかし、同九州で古傷を抱えていた左膝に加えて右膝も痛めてしまい途中休場。幸い長期休場には至らず2年初~春と勝ち越しているが、両膝の怪我とは今後も長く向き合い続けていかねばなるまい。

長身のソップ体型で、膝の負担を考えれば今後も過度な増量は避けたいところ。左前廻しを浅く引いての寄り身に出し投げなど横から崩していく手筋も備えており、技能派の四つ相撲として素養を高めていけるかが大成に向けた勘所。自分から突いて出ていくような積極性が出てくれば尚の事良い。


安齋
(生年:平成14年 出身:東京 身長:176センチ 体重:119キロ)
中学卒業後の入門(30年春場所)ながら初土俵から1年足らずで三段目昇進を果たした期待株。柔道経験者で相撲は小学校の頃に少しやっただけというのだから、その早い適応ぶりには驚かされるし、三点で当たるような立合いから、パパパっと突っ張ってよく手足を前に進めていく景気の良い取り口にも柔道の影は見えない。
時折、全然腰を決めぬままフェイント気味に立つこともあるが、これは余分。意表を突けているうちは良くても、覚えられれば簡単にかわされてバランスを崩すばかりとなろう。基本通りにしっかりと腰を割り、重みとスピードの両立する立合いを安定させることで揺るぎなき地力をつけていきたい。
俄然稽古相手に恵まれ始めたことも追い風に、そろそろ三段目下位を抜け出したい頃合いだ。


三島(生年:平成12年 出身:島根 身長:191センチ 体重:132キロ)
高校時代は師匠と同じレスリング経験者。欧勝竜・櫻井・丸勝らと同じ元年夏に初土俵を踏み、目立ちこそしないが、5場所連続の勝ち越しで三段目中位にまでのし上がってきた。

190センチを超える長身、胸で当たって(もしくはかち上げて)から、相手を自分の高さに引き上げていきたい。この身長・体格なら、将来的にも別段頭でかましていく必要はないと思う。
本人は7~8年で関取に上がるという堅実な目標を掲げており、その計画からすれば、現状はまだまだ
駆け出し期。今のところ番付面での出世は順調だが、今後一時停滞したとしても焦らず、力士としての土台を固めることに軸足を置けるか。大きな怪我をすることなく、3年後の幕下昇進を見据えたい。


2年春初土俵の注目株、深沢→欧深沢(H13 石川 184 125)と萩原(H9 北海道 182 114)については、サンプル不足のため来年度分に回すこととしたい。




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