土俵一路

本場所中の更新に加え、場所と場所の間は花形力士の取り口分析、幕下以下有望力士の特集などを書いています。 「本場所中も本場所後も楽しめる」をコンセプトとして、マイペースかつストイックに我が道を往き続けます。                他サイト等への転載はご遠慮下さい。

Tag:千代大牙

九重部屋 所在地 東京都葛飾区奥戸
<所属年寄・裏方一覧>
師匠 九重(元大関・千代大海)
年寄 谷川(元関脇・北勝力)
年寄 佐ノ山(元小結・千代鳳)
行司 木村容堂(三役行司)
行司 木村晃之助(三役行司)
行司 木村龍之助(序二段行司)
呼出 重夫(三役呼出)
呼出 重太郎(十両呼出)
呼出 重次郎(三段目呼出)
床山 床岳(一等床山)
床山 床九(一等床山)



<近況>
・3年2月、先代以来の墨田区石原から葛飾区奥戸の新部屋へ移転。
・2年1月、千代嵐が史上最長ブランクとなる8年半ぶりの十両返り咲き。1場所で陥落もすぐに再十両を果たす。
・その千代嵐より一つ年上。31歳の千代栄が4年夏、自己最高位&自身初の5枚目以内となる東3枚目に躍進。遅咲きの新十両へ大きなチャンス到来だ。



千代の海(生年:平成5年早 出身:高知 身長:182センチ 体重:136キロ 初土俵:平成27年夏)
宿毛高ー日体大。小気味良い突き押しの相撲で十両通算14場所も、左肘手術の影響により幕下下位まで降下した。
3年九州・4年春はいずれも最初の相撲から6連勝するも、優勝には届かず。それでも4年夏場所は東筆頭、およそ1年ぶりの関取復帰は目前だ。


千代栄(生年:平成2年 出身:京都 身長:181センチ 体重:164キロ 初土俵:平成21年初)
京都共栄学園高時代は柔道をしており、平成21年初場所、相撲経験なく高卒で入門。3年半で幕下に上がると、以後おおむね定着して通算在位は56場所を数える実力者だ。
過去、一桁の番付に進出した3場所はすべて1勝6敗に終わり、上位では家賃の高さを感じさせていたが、4度目の挑戦となった令和4年春、西6枚目で5勝をあげ、来る夏場所は東3枚目に躍進。デビューから13年半にして訪れた最大のチャンス、遅咲きの花を咲かせたい。

柔道経験者の名残と言えるかどうかはさておき、引退した栃飛龍(春日野)のように上体の力が強いタイプ。ゆえに、相手を弾いたり押さえたりする動きには長けているのだが、膝や足首に故障を抱える下半身が硬く、常に揃いがちであるため、出足に欠ける点が課題となってきた。
「相手を起こすこと自体は出来ているので、その次の足を素早く運び、片方喉輪・もう一方でおっつけるような構えに入って相手と密着しながら押せれば、すぐにでも十両が狙える地位に安定できそう」
とは、2年前の当連載における評論だが、ここ数場所、足のもつれないし揃いが緩和され、求める通りの相撲内容が現出している。
初の5枚目以内で迎える勝負の場所も勝算は十分。あとは慢性的に悪い下半身の状態をいかに安定させながら場所に入れるか。本人の努力だけでは防ぎきれない面もあるが、なるべく悪化させぬよう最大限のケアに努めてほしい。


千代ノ皇(生年:平成3年 出身:沖縄 身長:178センチ 体重:152キロ 初土俵:平成22年春)
ご存知幕内経験者。古傷とも持病とも言うべき腰の故障によって、再度幕下からの出直しを強いられている。早いものでもうすぐ31歳になるが、年上の千代栄は新十両に向け気力旺盛、同学年の千代嵐も8年半ぶりの十両復帰を経て、目下定着を目指し奮闘しているだけに、こちらもまだまだ老け込んではいられない。


千代大牙
(生年:平成12年早 出身:大阪 身長:171センチ 体重:126キロ 初土俵:平成30年春)
高校時代は大阪の城東工科高で柔道をしていた。
30年春初土俵から同九州には早くも三段目昇進。令和2年には定着、3年には上位進出を果たして9月新幕下。4年春、通算2場所目の幕下で6勝1敗と大勝し、今年を幕下定着の一年としそうな勢いだ。

体は小さいながらも右四つの力相撲。腕っぷしが強く、また兄弟子千代ノ皇のようなうっちゃり腰も魅力。右四つだが右の廻しを引けば強いタイプで、右おっつけから右差しに繋げる良い型も持っている。
もっとも、4年夏は初の幕下中位。ここから先を目指すためには、まだまだ決め手不足が否めず、しばらくは壁に当たるだろう。簡単に右を差させてもらえず、また差したとしても自分よりも数段大きな相手といかに渡り合うか。今後の成長を楽しみに視ていきたい。


千代雷山(生年:昭和62年 出身:和歌山 身長:189センチ 体重:152キロ 初土俵:平成18年春)
来る4年夏場所では実に7年ぶり、34歳での最高位更新(東34枚目)と元気いっぱい。
190センチ近い長身、上体を仰け反らせながら下から差し込んでいく正代型の取り口は変わらないが、腰を据えてどっしり相手の突きを受け止め、前に出ていく圧力は前回の最高位更新時を上回るほど。次の目標は幕下の半分より上、20枚目台への進出だ。


千代虎(生年:平成15年 出身:佐賀 身長:176センチ 体重:129キロ 初土俵:令和元年夏)
中学卒業後の初土俵から半年が経った元年九州、再起途上にあった宇良を倒して一躍その名を揚げた。
その後も順調に番付を上げ、4年初、春と最高位で勝ち越し。夏はいよいよ三段目一桁で幕下挑戦の場所を迎える。

相撲経験を有しての入門だけに、立合いひとつかまして突き起こすことを知っているのは大きい。突き押しを得意としつつ、左四つに組んでも腰の重さを発揮できるタイプではあるが、胸を合わせたり半身に構えたりの相撲に頼るのは危険。立合いの厳しさを磨くか、上体を起こさぬ粘っこさを伸ばすか、向こう数年の発展に期待したい。


千代大豪
(生年:平成10年早 出身:兵庫 身長:186センチ 体重:132キロ 初土俵:平成28年名古屋)
28年名古屋のデビュー時、総合格闘技出身の経歴が注目を浴びた異能派力士。元年名古屋にデビューから3年で幕下に上がるも、首の痛みに悩まされ、三段目に落ちた翌秋場所~九州場所を全休。序二段から再起を遂げ、2年11月には幕下に復帰するが、今度は左膝を痛めて3年夏~秋まで3場所連続休場の憂き目を見た。九州での復帰以降3場所が経過、まずは幕下カムバックが目標となる。


千代大宝(生年:平成13年 出身:山口 身長:174センチ 体重:145キロ 初土俵:平成29年春)
相撲経験を有して中学卒業後に入門した。同部屋の行司・木村龍之介は実弟。
デビューから1年半で新三段目、その後怪我で序ノ口まで番付を落とす時期もあったが、あまり尾を引くことなく三段目に戻り、着実に最高位をクリア。4年夏は東35枚目といよいよ上位をが見える地位に上がってきた。
体型に合ったモコモコっとした押しに、馬力もついてきて俄然楽しみが増しつつある。


千代天富(生年:平成12年早 出身:東京 身長:172センチ 体重:116キロ 初土俵:平成27年夏)
相撲経験なく中学卒業後に入門。前相撲では全部負け、5年ほど序二段で苦戦。同学年で弟弟子の千代大牙に三段目昇進で先を越されたが、千代の天から現四股名に改名直後の令和2年春、序二段上位で6勝して文句なし。コツコツと押す力を磨き上げてきた成果を花開かせた。
その後は一度も三段目の地位を明け渡すことなく、2年近く中位近辺で安定。そろそろ幕下に向けて歩みを進めていきたい時期だ。
基本に忠実な低い押しといなしのコンビネーションで小気味よく動いていく相撲は、部屋OBの千代白鵬(元幕内)タイプ。


千代の勝
(生年:平成6年 出身:沖縄 身長176センチ 体重:132キロ 初土俵:平成25年春)
高校卒業後の平成25年春場所初土俵。中部農林高の先輩である千代ノ皇同様に右四つのまともな相撲で、さほど体に恵まれてるわけでもないために三段目が3年あまりと長く、30年にようやく幕下定着を果たした。
右差しのまともな立ち合いゆえ受けに回りがちで、うっちゃり腰を持つことが却って怪我のおそれを倍加。元々両膝を悪くしていたところ、ついに3年秋、九州と全休して三段目下位まで後退を強いられると、4年初場所で復帰も本調子には程遠く、春は三段目中位で負け越した。
なかなか味のある力戦派ではあるが、年齢的にも正念場の時期を迎えている。


千代北海(生年:平成7年 出身:北海道 身長:172センチ 体重:125キロ 初土俵:平成30年初)
札幌大でアメフトを経験し、卒業後角界に飛び込んだ異色派。3年かけて三段目に上がり(3年初)、1場所で陥落した後、来る4年夏に2度目の三段目昇進を果たした。
大卒だけに年齢は重ねているが、まだまだこれから。(見た目より体重はないものの)体型的にはやはり突き押し。立合いにもろ手でいく分、多くなりがちな叩きも悪癖ではなく武器として高めていきたい。


千代獅子
(生年:平成17年 出身:富山 身長:182センチ 体重:140キロ 初土俵:令和3年春)
小中と相撲で実績を残し、中学卒業後に入門。序ノ口についた3年夏に右足首の断裂の重傷を負い、前相撲から出直しとなったが、復帰後は3場所勝ち越しを続けて、来る4年夏を新三段目として迎える。
経験豊富なだけに、頭でかます当たりで先制、前に出ながら得意の左を差していく流れはスムーズ。稀勢の里のような、あるいは郷土の先輩・朝乃山の得意四つをひっくり返したような、左でおっつけながらの左差しも魅力いっぱいで、堂々たる体格を持て余さずに使うことができている。
ただ、足首の状態はまだまだ万全には遠いようで、将来を考慮しても、今は怪我を悪化させないことが最重要。垂涎のホープとはいえ、あくまで長い目で見ていきたい。


千代大和(生年:平成13年早 出身:愛知 身長:180センチ 体重:135キロ 初土俵:令和2年7月)
2年7月初土俵カルテットの一人。父がプロレスラー、自身は相撲経験なく高卒後に入門したが、デビュー翌年の令和3年には、序二段で2度(春・九州)最初の相撲から6連勝を経験し、早くも素質の片鱗を覗かせた。4年夏、弟弟子の千代獅子と同じタイミングで新三段目の土俵に上がる。
胸を出す立合いで腰も高いので先手を取られやすいが、下から跳ね上げ、あるいは逆に突き返して逆襲に転じる。まだまだキャリアも浅く、体も大きくなっていくだろう。地道に今の相撲を伸ばしていけば大成の余地もありそうだ。


千代大聖(生年:平成13年 出身:熊本 身長:179センチ 体重:187キロ 初土俵:令和2年春)
相撲経験はなく、熊本・開新高では柔道をしていた。身長を上回る体重の持ち主、その体を生かしきれているとまでは言えないが、4年春にはデビューから2年で新三段目。同世代の力士が同程度の番付にひしめき合う環境にも刺激を受けながら、徐々に番付を上げている。


千代煌山(生年:平成12年 出身:東京 身長:176センチ 体重:145キロ 初土俵:令和元年夏)
四股名の読みは「ちよこうざん」。元年夏に19歳で入門。相撲経験はなく、柔道をしていた。
3年夏、3番目の相撲で腰を痛めて途中休場。状態が心配されるも翌場所元気に出場し、秋場所からは3場所連続の勝ち越しで千代大聖との同時新三段目が実現した。
その新三段目場所でも二丁投げを見せた通り、柔道経験の名残を残しつつ、ずんぐりとした体型通りの突き押しも成長中。


千代烈士(生年:平成15年 出身:富山 身長:174センチ 体重:119キロ 初土俵:令和2年7月)
2年7月初土俵カルテットの一人。
朝乃山の恩師として知られる故・浦山直樹氏の誘いで相撲を始め、高岡向陵高を中退して17歳で入門。風貌がなんとなく朝乃山に似ている。
初土俵から1年で新三段目、以降定着していたが、4年夏は久々の序二段在位となってしまった。
サイズがない割には四つに組んで大きい相撲を取る千代大牙、千代虎に近いタイプだが、ここ最近は立合いでかませるようになり、突き起こして先手を取る意識が根付きつつある。
かつて在籍した千代の烈を思い出させる四股名。


千代大光
(生年:平成13年 出身:大阪 身長:178センチ 体重:130キロ 初土俵:平成29年春)
相撲経験なく中学卒業後に入門。左膝の大怪我と2度にわたる手術により序ノ口や前相撲からの出直しを強いられながらも、そのたびにコツコツと番付を戻し、序二段上位へ返り咲いている。
初土俵から5年、だいぶ体が大きくなってきて、今年中には念願の三段目昇進を果たしたい。


千代太陽(生年:平成13年 出身:東京 身長:176センチ 体重:87キロ 初土俵:平成30年夏)
相撲経験はなくレスリングをしていたが、中央学院大中央高を中退して17歳で入門。若き日の千代翔馬を思わせるキビキビとした動きで令和3年秋には三段目に昇進している。
デビュー当時の70キロからは15キロ以上増えているものの、体力面の不足は依然明らかで、遠ざかっている三段目への復帰&定着に向けてはボリュームアップが不可欠。
本名は木下祐希(きのしたゆうき)で、部屋付き・佐ノ山親方(千代鳳)の木下祐樹と読みが同じ。


千代青梅(生年:昭和61年早 出身:東京 身長:173センチ 体重:98キロ 初土俵:平成16年春)
部屋の力士の中では現役最古参の36歳、ちゃんと長としての活躍ぶりもよく知られている。
先代(千代の富士)期は三段目に上がるまで四股名を貰えなかったので、デビューからまる10年は本名の兼子で取っていたが、26年春、ついに昇進を決めて地元青梅にちなんだ現四股名に。


千代福(生年:平成16年 出身:栃木 身長:173センチ 体重:155キロ 初土俵:令和2年7月)
2年7月初土俵カルテットの一人。中学では野球をしており、硬式野球クラブで全国大会出場経験も。
初めは千代泉志で取っていたが、3年名古屋からは丸々とした体つきにピッタリな現四股名に改名。
そろそろ序二段の下位から抜け出して、三段目への足がかりを作りたい。
もろ手で突くor右を差して丸い体を生かすという方向性そのものは千代丸に近く、大目標として掲げていきたい。


千代剣(生年:平成15年 出身:千葉 身長:168センチ 体重:94キロ 初土俵:令和元年名古屋)
相撲経験を持って中学卒業後に入門。
網膜剥離のため3年夏以降休場、4年初場所に前相撲から復帰も、同場所デビューの新弟子が強すぎ、8戦全敗という気の毒なことになってしまった。それでも序ノ口に戻った春場所は千秋楽に見事勝ち越した。今度は序二段での勝ち越しを目指す。


千代天照(生年:平成16年 出身:愛知 身長:167センチ 体重:91キロ 初土俵:令和2年7月)
2年7月初土俵カルテットの一人。地元の海部津島相撲クラブで経験を積み、中学卒業後に入門した。
体型も相撲の取り方も近い1年兄弟子の千代剣との切磋琢磨が楽しみだ。
四股名は本名(財部天照)に由来しているが、ほんの半年前に同音の千代天勝(令和元年夏初土俵、同九州限り引退)がいたので、短期間での「復活」に驚いた。


千代の道(生年:平成17年早 出身:千葉 身長:167センチ 体重:100キロ 初土俵:令和4年春)
相撲経験を持ち、高校を中退して17歳で入門。4年春はコロナ特例措置により前相撲が行われなかったため、初めて番付に載る4年夏場所が事実上の初土俵。この人に限らないが、実際に観られる日が待ち遠しい。





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九重部屋
<所属年寄・裏方一覧>

<近況>
・中学卒業後入門の叩き上げ・千代天富がデビューから5年かけて新三段目。一気に三段目53枚目まで上がった次の場所でどこまで戦えるか楽しみだ。
・2年春場所で180センチ・191キロの巨漢小嶺が入門(夏場所新番付で千代大聖と改名)したが、公式サイトを見ると、さらに4名の見慣れない名前が…一斉デビュー濃厚な7月場所が待ち遠しい。


主な注目力士
千代栄(生年:平成2年 出身:京都 身長:181センチ 体重:164キロ)
最高位幕下7枚目の実力者。引退した栃飛龍(春日野)のように上体の力が強いタイプで、相手を弾いたり押さえたりする動きには長けているのだが、故障を抱える下半身が硬く、常に揃いがちであるため、出足に欠ける点が課題となっている。
相手を起こすこと自体は出来ているので、その次の足を素早く運び、片方喉輪・もう一方でおっつけるような構えに入って相手と密着しながら押せれば、すぐにでも十両が狙える地位に安定できそうなのだが、膝の状態がなかなか上向いてこないので、今一歩取り口の改善にも踏み切れずにいるようだ。


千代の勝
(生年:平成6年 出身:沖縄 身長176センチ 体重:125キロ)
高校卒業後の平成25年春場所初土俵。中部農林高の先輩である千代ノ皇同様に右四つのまともな相撲で、さほど体に恵まれてるわけでもないために三段目が3年あまりと長く、30年にようやく幕下定着を果たした。
右を差しに行くだけの立ち合いゆえ受けに回りがちで、うっちゃり腰を持つことが却って怪我のおそれを募らせる。二の矢の攻防では、頭を付け、おっつけも出せる人だけに、頭から出ておっつける立ち合を併用できるようになりたいもの。
それでも、右差し狙いでかち上げる立ち合いにはだいぶ鋭さが増し、最高位を更新(西34枚目)した2年春場所でも突き押しの相手に立ち合いで当たり負けすることはなかった。目立つ存在ではないものの、少しずつ着実に地力を高めていることは間違いない。


千代大豪
(生年:平成10年早 出身:兵庫 身長:186センチ 体重:136キロ)
28年名古屋のデビュー時、総合格闘技出身の経歴が注目を浴びた異能派力士。元年名古屋にデビューから3年で幕下に上がるも、首の痛みに悩まされ、三段目に落ちた翌秋場所~九州場所を全休。令和2年は序二段からの再起となったが、三段目復帰の春場所で6勝をあげ、復活をアピールした。

当初は壮絶な張り手が話題となり、現在もときおり片鱗を覗かせるが、もちろん基本の習得にも余念なし。コツコツと相撲を覚え、突き押しの型もサマになってきた。また、かち上げてから二本差すような狙いを見せることもある。
ここ数場所は首の怪我の影響もあり、少し力任せな部分が戻ってはいるし、今後も頭でかましていく立ち合いは採りづらいかもしれないが、体調に応じた取り方を見つけながら、持ち前のパワーを空転させることなく、相手に漏らさず圧力を伝えられる相撲を追求していけば、いずれ道は開けるだろう。



千代大牙(H12早 大阪 174 116)は、30年春のデビューから2年が経過。体の割に相撲が大きすぎるきらいはあるが、そういう取り方をするだけのバネを感じさせるし、上手から上手からと攻めていける点も魅力的で、徐々に上手さを身につけていけば数年後が楽しみな存在。まずは三段目定着がノルマだ。

千代天富(H12早 東京 173 116)は、同学年で弟弟子の千代大牙に三段目昇進で先を越されたが、改名直後の2年春場所、コツコツと押す力を磨き上げてきた成果を花開かせた。基本に忠実な低い押しといなしのコンビネーションで小気味よく動いていく相撲は部屋OBの千代の眞(千代の国の実兄)タイプか。

千代虎(H15 佐賀 176 120)は、中学卒業後のデビューから半年が経った元年九州、再起途上にあった宇良を倒して一躍その名を揚げた。相撲経験を有しての入門だけに、立合いひとつかまして突き起こすことを知っているのは大きい。廻しを引いても腕っぷしは強そうだが、今の段階ではできるだけ突き押しに集中して地力・体力を養成していきたい。





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